ひろかわさえこの絵本とそれから・・・


by pukuminn

どいかや展

やっと秋らしい青空が見えました。
今年は夏から雨ばかりで、
いつの間にか散り始めた街路樹の桜の葉…
なんだか色が冴えません。
お山の紅葉も、今年はイマイチなのかしら。

昨日は母の見舞いを終えたあと、武蔵野吉祥寺美術館で開催中の
どいかやさんの展覧会に行って来ました。
アリス館発行の「チリとチリリ」を中心に、デビュー作から新作の「ひまなこなべ」まで
約240点の原画、とても見事でした。
やはり、絵は人。
どいかやさんの、たたずまいそのままの、ゆたかな森
静かなのだけれど、
耳を澄ますと、小さな小川のせせらぎや、たくさんの鳥のおしゃべりや、
どうぶつたちの密やかな足音や、いろんな自然の音が聞こえて来る世界です。
そうそう、ちいさな女の子の笑い声も、まざっていました。

無味乾燥の病院帰りだけに、思い切り癒していただきました。
どいかや展は、11月13日まです。

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今回は26歳のデビューから20年間の集大成とのこと。
26歳〜46歳かぁ・・・・私は何をしていたっけ?と考えてしまいました。
絵本デビューは34歳だったけど、娘達を授かって、シングルになって、
ひとりで育てて仕事して、いちばんグッチャグチャな頃でしたね。
今でも、あまり進歩していませんけれど。
私の世界はこれです…ときちんと示せる仕事が出来ているのかな?と
少々自省もするのでしたが、
それはもっと先にしても良いかな…という気持ちも有るのです。
結果は後からついてくる。
人生は短い。とりあえず,前に進もうっと。
# by pukuminn | 2016-10-15 23:42 | 日々のこと | Comments(0)

10月

10月になってもう1週間。
あっという間に毎日が過ぎて行きます。
母が今年になって2度目の入院生活。
93歳と高齢なので、毎回、あわや!という気持ちになるのですが
入院して2週間、退院出来る望みも出てきて、やれやれです。

そんなバタバタで、結局もう来年の仕事を睨んで、のんびりもしていられなくなって来ました。
そうそう、1月〆切の小さなお話にも、そろそろ手をつけなければ。

来年は初夏に単行本の出版が2冊,月刊誌が1冊
夏に紙芝居
秋に単行本2冊の予定、、、えええぇえ〜?出来るのかしら?
忙しいうちが花ですから、と言われます。
でも、好きな仕事だから、大変でもなんとかやれるし、
しあわせな事です。
来年は、若い作家さんからの絵のご指名も2件。
自分の絵が世代を超えて,支持されるのは嬉しいことです。
さあ、楽しんでいきましょう♪

10月は私の誕生月でもあり、1年中でいちばん好きな月。
神無月という名前も好き。
ブラッドベリの『十月はたそがれの国』も好き。

チャイルド社のカレンダー、10月から私の絵になりました。

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# by pukuminn | 2016-10-07 23:55 | 日々のこと | Comments(2)

月刊絵本あれこれ

9月になって、やっと今年の猛烈な忙しさから抜け出し、
ちょっとだけ、ほっとした毎日です。
やりたいこと、あれや、これや、、、でも、思っているだけで、一向に何も手につかず
なんだか毎日、パソコンの前で時間が過ぎているのは、
けっこうSNSのお漬け物になっているんですね,私。
こんなにして、のらくらしている内に、次の仕事期に突入してしまいそうです。

さて、そんな日々の中、今年の仕事の実りが出来て来ています。

まずは、鈴木出版の月刊絵本10月号「どんぐりないよ」
これはこぶたくんが主人公の「まーだだよ」の続編です。
登場人物を引き継ぎながら、主人公が変わっていく、ちょっとおもしろいシリーズの形。
今回は、りすくんが主人公。

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りすくん、どんぐりを集めにあちこち走り回るけど、
あれれ?どんぐりないよ!
たくさん拾えるはずのどんぐりは、いったいどこへ行っちゃったのかな?

それはね、、、ないしょ。
絵本を開いてみてください。

そして最後はいつも幸せな景色

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描いている私も、ほっとしてあったかい気持ちになります。
自分が絵を担当して言うのもなんですが、このシリーズ、大好きです。
とりあえず、月刊誌の形ですが、少々お待ちいただくと単行本になるようです。
え?なりますよね?(笑)
そして、月刊誌では来年の夏に、かえるちゃんが登場する予定。
かえるちゃんの、活躍もお楽しみに。

月刊絵本雑誌の連載も10月号から始まりました。12月まで3回の連載です。
学習ひかりのくに、巻頭のお話ページ10ページ
「くまのポーさんはパンやさん」これは作も担当しました。

ちょっと画面切れていますが

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10月号のお客様は、かしのきえんの園長先生。
毎回、ポーさんが楽しいパンを作ります。

私は、24歳のときにフリーになって10年間、ほとんどの仕事が月刊の学習雑誌の絵や制作物でした。
ある方に、「少し苦しくても、雑誌の仕事をやめて市販本に取り組むように」とアドバイスされ
34歳の時に初めての単行本を出版し、それからは順調に仕事が出来たので、しばらく学習雑誌の絵本からは遠ざかっていました。
今回久しぶりの連載を受けて、単行本や紙芝居の制作の間に、さすがに毎月というのはきつかったけれど
3回連載するとお話としての纏まりもつけられたので,結果的には、よかった思いました。
幼稚園や保育園で配布される雑誌絵本は、たくさんの子どもたちの手に渡ります。
お家で、絵本を買ってもらえない子の手にも渡ります。
監修があったり、あまり大胆なことはできなかったり、
確かに単行本とは違う難しさも有るけれど、制約の中でも質の良いものを子どもたちに手渡せたらな、と思います。
# by pukuminn | 2016-09-24 00:07 | おしごと | Comments(0)

きゃべつくん

きゃべつくんです。
そう、長新太さんの絵本に出てくる、あの、きゃべつくん。
でも、キャベツじゃありません。
きゃべつくんの中身はあんこです!

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先週末の静岡JPICの読書サポーター講習会の講師をしてから足を延ばして名古屋、そして刈谷市美術館で開催されている、「長新太の脳内地図展」に行って来ました。
写真のきゃべつくんは、刈谷市美術館に併設されている「佐喜知庵」というお茶室でお抹茶と一緒にいただいたものです。
名古屋の老舗の和菓子屋さんの製で、とても美味しいきゃべつくんでした。

「長新太の脳内地図展」は、
以前、横須賀美術館でやっていた時に見逃して残念な思いをしていたので喜びいさんで行きましたが、ほんとに見れて良かったです。
今迄も、長さんの原画を見る機会は有りましたが、今回ほど纏まった点数で見られたことは無かったので、感激でした。
やっぱりね〜、長新太さんは素晴らしい。
見るものの観念を、スコーンとホームランみたいに飛ばして裏切ってくれて、ああ、おかしい!
そしてその笑いの底に、大事な大事なものがある。
何者にもとらわれずに真っ直ぐこどもたちに向っている心…って言ったら良いのかな。
いやいや,こどもにむかっている大人の視線では無くて、こどもたちと同じとこに立って、同じように感じ、同じように驚きおもしろがっている。
脳が硬化しているおとなにはとっても難しいことだけど、
でも、そんな私たちにもたまらない魅力をかんじさせてくれます。

時々、心して、長さんの絵本の中に帰って来たいと、思いました。
やれること、描ける絵はみんな違うけれど、
それでもなんとか、この場所が有ることを忘れずに。

きゃべつくん、食べられて嬉しかったけど、横須賀美術館に有ったらしい猫たくさんの絵の「顔はめ」が無かったのは残念でした。

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# by pukuminn | 2016-08-27 15:55 | 日々のこと | Comments(0)

大久野島からのバトン

報告が少し遅くなってしまいましたが、
6月末に、装画を担当した「大久野島からのバトン」が上製されました。
「文学のピースウォーク」全6巻の中の1冊、新日本出版社です。
作は,初めて組ませていただく,今関信子さん。

戦後70年,戦争の記憶が薄れて行く中で、いかに戦争の悲惨さを子どもたちに語り継いで行くのか?
実際に経験していない私たちが、そこにリアリティーを作り上げられるのか?
難しいけれど、探っていかなければならないテーマだと思います。
対象がヤングアダルトということで、その分野に経験の無い私…
描けるのかしら?と,不安だったのですが、
現在の大久野島はウサギが繁殖して「うさぎ島」で有名な島
「うさぎなら描けるかな?」と、受けてしまいました。
ところが、原稿を読み進むにつれ、うさぎ島に隠された歴史の重さに
「これは大変な仕事を受けてしまったかも…」という思いがひしひしと。
大久野島は,第二次世界大戦中、国際法で禁止された毒ガス兵器を作る工場が置かれ
日本の地図から消されていた歴史があるのです。

この本に私が描ける絵はいったいどんな絵だろう?
大久野島まで取材に行く時間は有りませんでしたが、
数年前に行った祝島の瀬戸内の景色を思いました。
70年前にも、かわらずそこにあっただろう
穏やかな瀬戸内の海と島々
海から吹いてくる風、明るい陽光…
そして若い命。
時を超えてだいじなだいじなもの。
そんな思いを込めて描いてみました。

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この本を書くにあたって、今関さんが積み重ねられた取材と調査、
それを今に繋がる物語に作り上げた素晴らしいお仕事に
本当に頭が下がります。
探り探り,描かせていただいた絵にも、暖かいお言葉をいただきました。
とても有り難かったです。
本文には、うさぎのカットもいっぱいです。
6冊揃ったところでの,原画展の企画も有るようです。
そのお知らせは、またそのときに。

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# by pukuminn | 2016-07-29 00:19 | おしごと | Comments(0)