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ひろかわさえこの絵本とそれから・・・


by pukuminn

のはらにね


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童心社の月刊紙芝居の年少向け4月です。

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のはらにね

こうさぎがきて

ふんふんふん。

「なあに?なあに?このにおい。」

ふんふんふん。


「あーーーーーーーーーっ!」

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こうさぎが、見つけるのは小さな一輪のお花です。
他の動物たちも集まってきて、みんなでお花を見つけます。
いつの間にか、周りにはたくさんのお花、、、春がきたね!嬉しいね!
という、なんていうことはない、とても単純な物語です。
紙芝居の依頼が有った時、一番描きたいものは何だろう?と思いました。
そして、このとてもシンプルな物語が浮かびました。
2年前、まだ雪降る東北で大きな地震があり、たくさんの人が被災して、
雪国育ちの私ですが、あの時ほどニュースの中で被災地に降り続く雪を恨めしく思ったことはありませんでした。あの年は、きっとたくさんの人が「春よ来い!来てくれ!」と
願ったのではないでしょうか?
そして、あれから本当に春が来ることを心から嬉しいと思うようになりました。
だから、です。
春を迎える嬉しさを、とてもシンプルに描きたかったのです。

紙芝居の創作はいつも悩みの種です。
絵としては、絵本よりも文字が入らない分,画面全体を使って描けるので
制約が無いようですが、さにあらず。
まず遠目が効く絵柄であること
重なりはなるべく避けて物や登場人物がはっきり認識できること
しかも、年少版は8画面,その中で起承転結を成立させなくてはなりません。
小さくても、お芝居の舞台ですから、説明的な文章より
物語は会話で進む方が楽しさもUP。
いろいろ考えていくと、これ、けっこう大変!
でも,紙芝居は日本で生まれた文化で、今、東南アジアやヨーロッパに
どんどん広がっているのだそうです。
どこにでも、持って行ける小さな劇場って・・・素敵だものね。

というわけで、今も悩みつつ取り組んでいます。
次の主人公は、たぬきのポンコちゃん。
さて、どうなるかな?

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by pukuminn | 2013-04-15 09:00 | おしごと