ひろかわさえこの絵本とそれから・・・


by pukuminn

滝平二郎展

すっかり梅雨空になりました。久々の更新です。

昨日、「そうだ!もう会期が終わってしまう!」と出先の帰りに、三鷹市美術館で開催中の「滝平二郎展」に行って来ました。
滝平さんの「きりえ」は朝日新聞の日曜版の8年4ヶ月に渡る連載であまりに有名ですが、本来は木版画家であり、児童出版美術家連盟が出来た年からの会員で,絵本作家の大先輩にあたる方です。
そういう意味ではかなり見慣れてしまった絵のイメージがあったのですが、これが期待をはるかに超える素晴らしい展示でした。
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私が特に好きだったのは、古い時代の農民を題材にした木版画でしたが
荒削りながら一刀一刀が実に的確で、農夫の内面まで踏み込んだ表現に何度も会場を戻って見入りました。
後の「八郎」や「三コ」に描かれた大男の、見事に鍛えられた筋肉の美しさが、労働の賜物である事がわかります。

有名な先輩といえども、その年譜はほとんど知らずに来たのですが、
滝平さんは、21歳の時に太平洋戦争に徴兵され、あちこちの戦線を転々とした後に、
沖縄で終戦を迎えています。
何ヶ月にも渡り,沖縄の山地を逃げ回った悲惨な体験を描き残したペン画も展示されています。
そして、戦後おもちゃも絵本も無い時代に甥っ子さんの為にと、アンデルセンの「裸の王様」を版画で手作り絵本に仕立てたとのこと。…そして、何故「裸の王様」を選んだのか?
ここで全部書いてしまっては、これから見にいかれる方に申し訳ないので書きませんが
たいへん心惹かれるエピソードです。

三鷹市美術館は、時々凄く良い展示をするのに、あまり宣伝をしていないせいか?たいがい空いていて、ゆっくり展示が見れるので、とても好きな場所です。
「滝平二郎展」は7月2日まで。
是非、急いで見に行って下さい!三鷹市南口のデッキから直通のコラルビル5階です。

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# by pukuminn | 2017-06-28 17:22 | 日々のこと | Comments(0)

40年前のキャラクター

時々、施設に入っている母のところに慰問に行くのですが、
母の部屋で懐かしいものを見つけました。

私が40年前に某印刷会社のデザイン室…印刷会社の社長夫人が経営する
文具メーカーに勤めていた頃、描いていたキャラクターのメモ帳です。
まあ、よく残っていたこと!
当時は、ノートや便せん封筒、鉛筆や消しゴムや、いろんな物に展開して
銀座にあった文房具屋さん、クロサワって言ったっけ?のショウウインドウを飾った事もあったのです。
今見ると、「よくこんな稚拙な絵で、出来たな〜」と思ってしまうのですが。

TOMOKO&KUROBE

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赤い帽子の女の子がTOMOKO,
KUROBEはお伴の子犬。
大学を出たてで、最初はステッカーのデザイン、
それからキャラクターを作るために
仕事の半分は、せっせと絵を描かせてくれていた会社は、
今思うとずいぶんのんびりしていて
イラストレーターを育てる…という姿勢があって、ありがたい環境だったと思います。
でも、カラーインクとか使って好き放題描いていた私に、先輩のデザイナーのお姉さんが

「新人で特色使うようなキャラクター作っても、コスト的に出来ると思ってるの?」

え?新人いじめ?って、でもその通り!
う〜む……で、考えたのがこのBlack+特色1色で出来るキャラクターでした。
で、これが色の溢れる文房具売場で、思いがけない新鮮さ!
で、ちょっと売れてたんですよ。
結局、キャラクター文具業界にずっと身を置いてしまうと
自分の絵が変わって行ってしまう…と、
まだ自分の絵なんてぜんぜん描けていたわけでもないのに
生意気なことを思って2年足らずで,退職したのでしたが。

でも、このキャラクターは、
福島の裏磐梯にある、『ペンションとも』の談話室の壁に描いてきて
それは、今も残っていて、
娘たちと毎年のように行き、
まだ交流が続いていたりするのです。
# by pukuminn | 2017-04-18 18:07 | 日々のこと | Comments(2)
昨日の午前中は親子地域文庫連絡会さまのお世話で池袋で講演会。
いつも「子どもの本・九条の会」でご一緒している仲間が中心になってくれていたせいか
あたたかい気に包まれているのを感じながら
楽しくお話させていただきました。
皆様、ありがとうございました!

そして、午後は「この日を逃してはもう行けないかも!」と思ったので
まだ少し足が痛みましたが、ちょいと足を延ばして信濃町へ。
3日からアートコンプレックスセンターの地階ギャラリーで、井上洋介さんの大きな遺作展が開催されています。
神沢利子さんの「くまのこウーフ」の挿絵で、あまりにも有名な井上洋介さんですが、今回は若い時からずっと描き続けていたタブロー480点。どっぷり浸って来ました。


アートコンプレックスセンター入り口
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地下の縦長の広いギャラリーの壁一面に設営された洋介さんの絵
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赤の時代といわれる年代の絵画群
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絵は井上洋介さんの年代を追って並べられているのですが、
もう学生時代の絵の時点でその世界は築かれていたような印象を受けました。
450枚の絵は一貫した壮大な絵巻のようであり、
見終わって殴られたようにジーンと頭が痺れた感覚。
絵の発するエネルギーにしばし言葉が出ませんでした。

今日になっても、このブログを書こうとして躊躇します。
簡単に言葉にするのが憚られるのだけど、
一貫して流れているものは
とてつもなく深い哀しみのような気がしています。
想像の世界の絵のようで、
実は井上洋介さんがリアルに体験していたのではないかと
そんな気にさせられるのです。
絵に対する好みはいろいろあると思いますが、ひとりの画家が一生かけて描きつづけた世界が心をうちます。
特に絵を描いている人は、足を運んでみるべきだと思います。

絵を見ながらそういえば、、、と思い出した本があります。
草森紳一「日本ナンセンス画志」装丁が井上洋介さんでした。
まだ学生時代に読んだその本の強烈な装丁画の印象が蘇って来ました。
草森紳一さんの本が好きで何冊も読みあさった時期でしたが、その中で初めて井上洋介さんの絵に出会った・・・それはウーフを目にするずっと前の事だったのだな、と感慨深いです。

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禍々しい餓鬼の世界を描く墨絵の迫力
そして、ウーフのなんという素朴な可愛らしさ!
どちらも1970年前後の作です。

井上洋介没後1年大誕生会は12日まで。
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# by pukuminn | 2017-03-05 17:49 | 日々のこと | Comments(0)

もぐらのモリィ

「もぐらのモリィ」のお話が載った、『この本読んで!』春62号が出来上がりました。
表紙もモリィちゃん♪
今日発売です!

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もう空き地には、
ヒメオドリコソウやイヌノフグリやホトケノザや、
春早々に咲き始めるちいさな野の花が顔を出していますね。
厚いコートを脱ぐのも、もうすぐです。

地下暮らしのモグラのモリィは、どうやって春を知るのかしら?
でも、きっと土の中にも春が来る!
日々春の兆しはあるはず!・・・そんな発想から、
このお話は生まれました。

そして、もう読み聞かせの報告がひとつ!
世界一早くこのお話を読み聞かせしてもらった女の子ですね。
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おとうさんに読んでもらって、一生懸命見てくれていますね。
そして、おかあさんによると、
〜「ほってほって」のところで、楽しそうに体を動かしていました!
自分でもめくって何度も繰り返していました。〜とのこと。
このページ
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モリィちゃんが、いっしょけんめいトンネルを掘るところです。
こういう幸せな時間の報告をいただくと、
私も本当に幸せな気持ちになります。

「この本読んで!」は読み聞かせの為の、季刊の絵本情報誌です。
56号から全国の書店で購入できるようになったそうですよ。
モリィちゃんが、たくさんの子どもたちと出会えますように。

今日はひとつおまけの嬉しいこと!
私が入っている生協の◯ルシステムの人気絵本の部門別ランキングで
「ぷくちゃんのすてきなぱんつ」が赤ちゃん絵本の一等賞になっていました♪パチパチパチ
偶然カタログで見つけたんですが、嬉しかったです。
ぷくちゃんも、出版してもう16年になりました。
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# by pukuminn | 2017-02-27 14:41 | おしごと | Comments(2)

天のお告げ

二月は逃げると言いますが、ほんとにもう3分の2過ぎてしまいました。
とても鈍足の私では追いつけません。
その2月、楽しい事も色々有りました。
11日は福岡の古賀新宮子ども劇場でお話をして来ました。
福岡春日原の児童書専門店エルマーの前園さんと一緒です。
前園さんの絵本や紙芝居のお話と、後半は私の絵本の話ともう少し。
もう少し…というのは、主催者側からの要望で、是非皆で平和のことを考える時間をということで、
11月の三鷹にならい、ベトナムの戦跡と平和村、メッセージ展に出している「ベトナムの女の子」の絵の事をお話して来ました。
けっこうな長い時間、子どもたちもよく聞いてくれました。
最後にみんなで記念撮影。

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お顔に靄がかかっていないのが、春日原のM女王様ことエルマーの前園さん。
かけ出しの頃からお世話になっている恩人です。
やはり、子どもたちの未来の社会について,不安を抱かれる方も多く、
しかも子どもたち自身からも,非戦に対する疑問などが出てきて、
普通の絵本のお話会+平和について考える会の要望が増えてきているようです。
いっしょに考えて行きましょう…そんなきっかけ作りしか出来ませんが
やれる事ならやらないとなぁ、と思います。

帰りは,当然ターミナルでお土産膨れして、最後の仕上げ。
いちごだいふく〜

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福岡から帰り、やりかけのお仕事をアップ。
今年の鈴木出版「こどものくに たんぽぽ版」6月号。
間部香代さん作の「だいすきだよ」です。
では、ちょっとだけ…

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かえるちゃん、なにを想っているのかな?
そのお話は、また発行されてからにしますね。

一仕事終え、母の見舞いも行き、ちょこっと遠出でも…なんて思っていたのですが
なんと一昨日,小さな段差で足を捻り,右足をひどく捻挫してしまいました。
ただいま、足がパンケーキみたいに腫れています。
ううう、どこへも行けない…机の前に座っているしかない…

たくさん仕事がまっているであろう。さっさと進めよ!

天のお告げでした。
# by pukuminn | 2017-02-19 18:16 | 日々のこと | Comments(0)